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TOEIC対策に英単語の暗記はどれくらい大事?
TOEIC対策をするうえで重要なファクターと言われたら、何を想像しますか?
リーディングにおいては読解力や速読力、リスニングにおいては正確に聞き取る能力など、様々な要素が存在します。
しかし、それ以前に必要となる知識として英単語、英文法、発音の3つの基礎知識が存在します。私がいつも言っているように、英語の基礎はこの3つから構成されており、これはTOEICだろうが英検だろうが変わりません。
しかし、この3つの中でTOEICという試験に対して特別なアプローチが必要な要素があります。それは「英単語」です。
英文法、発音知識は、試験が何であれ、必要技能が何であれ、知っておくべき内容は変わりません。しかし、英単語は違います。なぜなら、TOEICという試験でよく出る英単語が存在するからです。言い換えれば、TOEICという試験で高得点を目指すためには、普段の英語学習で習得する語彙に加え、TOEICでよく出る英単語を追加的に学ぶ必要があるのです。
基礎英単語+TOEIC用英単語=TOEICの語彙対策
さきほど、TOEICでよく出る英単語を追加的に学ぶ必要があると申し上げましたが、この「追加的」という言葉が非常に重要です。
TOEIC対策において、英単語の学習はTOEICによく出る英単語を覚えるだけでは不十分です。なぜなら、TOEICのリーディング・リスニングで使われる語彙というのは、基礎的な英単語(=高校レベル、中級レベルの語彙)と、TOEIC頻出単語の組み合わせでできています。
ゆえに、TOEICで高得点を目指すには、語彙という観点で考えたとき、まずは基礎的な英単語力を確立し、その上にTOEIC頻出単語知識を上乗せするという、二層構造の語彙学習が必要になるのです。
よって、本記事のトピックである英単語帳に関しては、まずは基礎的な英単語帳を一通りこなしてから、TOEIC用の英単語帳を使用することをおすすめします。
実際、私ATSUもTOEIC対策用の英単語帳に着手する前に、基礎的な英単語帳をいくつかこなし、その後のTOEIC向けの英単語や表現を覚えるというアプローチをとることで、TOEIC満点を実現しました。まずは基盤となる英単語を基礎的な英単語帳で覚え、その後TOEIC対策用の英単語帳で仕上げるという流れをお勧めします。
そのため本記事では、私がおすすめする基礎的な英単語帳を紹介した後に、おすすめのTOEIC対策用英単語帳を紹介していきます。
【基礎英単語+TOEIC用英単語=TOEICの語彙対策】
TOEICの得点向上のために、この式を念頭において英単語帳を見ていきましょう!
自分に合った英単語帳を選ぶには?
TOEIC対策における英単語暗記の必要性が分かったところで、では実際に自分に合った単語帳をどのように選んでいけばいいかについて説明していきます。
自分の経験・やる気と相談する
自分に合った英単語帳とはなんでしょうか?大前提として、無理なく継続して勉強することができるような英単語帳であるべきです。
自分のモチベーションや英語学習経験の長さと相談したうえで、無理なく進められそうな英単語帳を選びましょう。人間は自分の能力を過信する傾向にあります。
もちろん、最初から990点(満点)到達用の単語帳を買ってやる気を奮い立たせる方法も人によっては有効ですが、その際は長期的にその単語帳を継続するための集中力や計画力が必要になります。それらの能力に関しては、以下の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
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まとめ
- 無理なくすすめられそうなもの
- 自分の目標点数と照らし合わせると良い
- もし思い切ってハイレベルなものを選ぶときは、長期的な継続可能性を考慮する
すきま時間に活用出来そうか?|分厚さ・携帯性
上の項で継続できそうな軽めの単語帳をおすすめした理由として、すきま時間に有効活用してほしいという意図があります。
英単語を覚えるためのコツとして、「高い回転率」がカギになってきます(詳しくは記事後半で解説します)。これは、一つの英単語に出会う機会を出来るだけ頻繁にする、という意味です。
では、高い回転率を維持するためにどのようなことを意識すれば良いのでしょうか。
その答えこそが、「すきま時間の活用」なのです。
英単語の暗記においては、机に何時間も座って勉強しつづけるよりも、通学・通勤の電車内や休み時間、起床後・就寝前の10分間などの細かい空き時間が有効です。
この細かいすきま時間に英単語帳を開くクセがつくことで、結果として長時間勉強するよりも単語帳を開く回数・時間ともに長くなります。
加えて、すきま時間という短い時間の中で英単語をいかに覚えられるかを意識することでできるだけ速くすすめようと思い、結果として回転率が上がるという効果も期待できます。
つまり、すきま時間を最大活用できるような英単語帳を選ぶことがTOEICの英単語対策においては重要であり、この条件を満たすような単語帳を探すことがカギになります。
探す時の基準としては、分厚さや重さなどの携帯性はもちろんですが、ページの開きやすさやページデザインのシンプルさを見ると自分に合ったものが見つけられると思います。
そのため、機会があれば書店などで実物を触って確かめてから購入することがベストです。
まとめ
- すきま時間に活用できそうなもの
- デザインなどの好み・利便性
- 書店などで実物を確かめるのがベスト
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英単語を身につけるためのコツ|英単語帳活用法
せっかく自分に合った英単語帳を手に入れても、英単語帳自体の有効な使い方を知らないことで効率の悪い学習をしていたら意味がありません。
ここでは、これまでに20000語以上の英単語を暗記しており、TOEIC満点を保持している私Atsuが効率的な暗記法をご紹介します。
高い回転率で繰り返す
特に暗記が苦手だと思い込んでいる方にお伝えしておきたいこととして、記憶は1日経過しただけで半分以上忘れてしまうという事実があります。
これは、エビングハウスの忘却曲線とよばれる理論の中から導き出せるもので、人間がいかに忘れっぽいかを示しています。
以下の図は、人間がどの程度の速度で物事を忘れていくかを示しているグラフです。
では、どのようにすれば物事を忘れないように暗記しておくことができるのでしょうか。
そのカギこそが、「高い回転率」です。
ここでいう回転率とは、その英単語を見る頻度のことを表しています。
要は、高頻度で復習を繰り返すことが重要なのです。
以下のグラフを見てみると、復習によって忘却が回避されているのがわかりますよね。
つまり、単語を一つづつ時間をかけて丁寧に暗記していくよりも、一つ一つの単語にかける時間は短くしてどんどんページをめくっていく方が結果として記憶には残りやすいのです。
一つ一つの単語にかける時間が短くなれば、自ずと単語帳を一周するスピードが上がりますよね。そうすると、結果として単語帳を繰り返すスパンが短くなり同じ単語に出会う頻度が上がります。
また、分厚い単語帳や収録語数の多い単語帳だと、どんなにはやさを心がけたところで、どうしても一周するのには時間がかかってしまいます。
そこで、セクションごとに復習をするというコツがおすすめです。
例えば400語収録で4セクション(各100単語)に分かれているような単語帳であれば、
セクション1→セクション2→セクション1→セクション3→セクション2→セクション4という風に、セクションが一つ終わるごとに一個前のセクションを復習することで、結果として忘却を阻止できるようになります。
要は、最初から最後までぶっ通しで一周やるのではなく、小分けにして復習を定期的に挟むことが有効であるということです。
時間をかけて丁寧に暗記しているのに全然覚えられない!という経験がある方は、ぜひ試してみてください。
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音で覚える
英単語を暗記する際に、紙に書いてスペルまで覚えようとしている人は要注意です。
書いて覚えようとすることで、回転率が自ずと遅くなり、結果として単語の定着がイマイチになってしまいます。
そもそも、スペルを正確に書くことが要求される機会は、どの程度あるでしょうか?
大学受験の英作文やTOEFLのライティングには多少影響があるかもしれませんが、基本リスニングとリーディングだけであるTOEICに関しては、スペルの正確暗記が必要となることはありません。
むしろ、スペルよりも発音で覚えることをおすすめします。
発音を覚えるときに書く作業が伴うことはありません。英単語帳の中だけで完結します。加えて、発音で覚えることを癖にしておくことで、リスニング力の向上も期待できます。また、視覚だけでなく聴覚や口も使うことになるため脳に刺激が入りやすくなり、結果として記憶力の向上にも繋がります。
TOEICの学習において、高い回転率・脳の刺激・リスニング力の向上といったメリットを享受するか、書きながらスペルの暗記に拘泥するか、もちろん前者の方が良いのは間違いなしです。
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文章を作る
高い回転率や音での暗記を心がけるといっても、ただ一つ一つの単語を発音するだけの作業を繰り返せと言っているのではありません。
特に、未知単語を覚える際には、いかに記憶に定着させるかが大事になってきます。そもそも、高い回転率も記憶の定着を促すためでしたよね。いくら速いスピードで繰り返しても一回一回の質がゼロなら本末転倒です。
さて、高い回転率を維持しつつ一回一回の質を上げるために出来ることは何でしょうか?
有効な方法として、短い文章を作るということをおすすめします。
この作業を加えることで、瞬間的に英文を作るというスピーキングの練習にもなるうえ、文脈や使用場面を含めた深い暗記をすることができるようになります。
例えば、TOEIC頻出単語の一つに"Comprehensive"(包括的な)という単語があります。これを単にComprehensive=包括的な、という風に覚えたところで意味の応用が効きませんし、どういう風に使われるのかも分かりませんよね。
そこで、単語帳に書いてある例文なども参考にしつつ、
Let’s take a comprehensive survey.(広範囲に調査をしてみよう)
というような短い例文をつくってみるのです。
このおかげで、包括的なという堅苦しい日本語訳からもっと応用可能なニュアンスを獲得することが出来ます。
どんな場面でどういう風に使われるのかな?という考えを常に念頭に置きながら覚えることで、記憶の定着率も良くなりますし、使える英単語にすることが出来ます。
もし即座に英文を作ることが苦手だという方は、以下の記事を参考にしてみてください。
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英単語帳を効率的に勉強してTOEIC高得点を狙おう
がむしゃらではなく、思考しながら勉強する
今回の記事では、TOEICにおいて英単語学習がカギになるという前提のうえ、自分に合った単語帳の選び方やおすすめの単語帳、勉強するときのコツを紹介してきました。
英語学習のコツや考え方についてもっと知りたいという方のために、いままでの私の経験や科学的メソッドを総動員して最適な勉強法や思考法を解説した「Vocabularist」という本を出版しています。ぜひ参考にしてみてください。
Vocabularist|ただしい英単語学習の方法がわかる本
TOEIC対策において英単語学習が基盤となりますが、同時に読解やリスニングの対策もしなければなりません。その際、Atsueigo.com(本サイト)の記事やAtsueigo(YouTubeチャンネル)の動画が参考になれば幸いです。
最適な方法で学習を積み重ね、TOEIC高得点を狙いましょう!
常に語彙力向上を目指す姿勢|オリジナル英単語ノート」
今回は、基礎語彙力形成とTOEIC対策に有効な英単語帳や暗記法を紹介しました。
一つ言っておきたいのは、語彙力の向上は英単語帳勉強中だけに起こるものではありません。
英語長文を読んでいるとき、リスニングをしているとき、はたまた日常生活のなかで目にする英語など、すべてにおいて語彙力形成のカギとなる「未知語」は隠れています。
そんな「未知語」を未知のままにしておくのではなく、逐一ノートやメモにまとめることで、自分だけのオリジナル単語帳を作ることができるうえに、効果的に英語力を向上させることができます。
以下の記事では、私の英単語ノートの作り方と活用法をまとめていますので、ぜひ読んでみてください!
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