学生、社会人から主婦の方まで、英語をペラペラに話せるようになりたいという方は多いと思います。そこで今回は、英語の勉強を10年以上してきた私が、ゼロから英語が話せるようになるまでのフェーズを三つに分けてご紹介します。各フェーズでどのようなことを考えて学習したらいいかといった独学の方法を紹介する中で、「英語は英語で考える」というイメージを一緒に作っていきましょう!
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【質問】「Atsuさんは英語を話す時、英語で考えてますか?」
今回は、英語が話せるようになるまでのプロセスについてお話ししようと思います。
「英語をこれから勉強しようとしている人」、「今現在英語を話せない」という状態にある人は、話せるようになるまでに一体どういう変化が自分の中に起きて、英語が話せるようになるのかっていうイメージがつかない人って結構多いと思います。
というのは、私自身も英語の勉強を始めたての時は、国内学習で英語を話せるようになった人がどこか遠い存在に感じて、「自分も勉強を続けたら本当に英語がペラペラになれるのか」、「話せる人の頭の中ってどういう風になってるのか」と疑問に思うことがよくありました。また、ライブでの質問回答を通す中でも
「英語を話してる時は英語で考えてますか?」
「英語を話す時もどうしても日本語を介在してしまいます」
という質問や相談をよく受けるので、英語を学習する人にはつきものの悩みなのかもしれません。
私は高校2年性の終わりに本格的に英語の勉強を始めて、10年ほど勉強を続けてある程度英語を話せるようになりました。その過程を体験して来た中で、英語脳の構築のプロセスについて今回お話ししていきます。
英語を話せるようになるまでの3つのフェーズ
英語力ゼロの方が、英語学習を始めて話せるようになるまでのプロセスは主に3つのフェーズからなっています。
①日本語の枠組みの中で英語を考える
②英語を英語で考えはじめる
③英語は英語で自然に考えられる
日本語の枠組みの中で英語を考える-英語を話せるようになるまでのフェーズ①
1つ目のフェーズは、英語を勉強し始めたばかりの人がこの段階にあたります。日本で生まれ育ち、日本人に囲まれて自然と日本語で普段から物事を考えている人は、「英語を覚える・使う」という時も日本語で思考を組み立てていきます。
英単語帳には「organize:を組織する」のように、英単語と日本語訳がセットになって記載されていますよね。organizeを見たときに
と考えるようになります。
文法事項の理解についても同じく日本語の枠でで考えます
「I have to」の後は動詞の原形がこないといけないから『I have to organize~』ってなるよな。
「capable of」の後は動名詞がくるから『capable of or』organizing~』になるのか。
と考えて文を作ったり、英語を読んでいきます。
英語で考える状態とは程遠いですが、これは悪いことではないんです。もちろん、英語の勉強始めたてから英語を英語で考えて話す意識を持っておくことはひとつの理想ではありますが、実際にそれをやろうとするとなかなか難しいですし、そういったストレスが最終的に学習の生産性を下げることにつながるとも十分考えられます。
積極的に文を作っていくのが大事-フェーズ①での勉強法
最初は英語の知識が全くない状態での学習がスタートすると思うんですが、まずは日本語を介してでもいいので英語の知識を増やすことに専念しましょう。英単語や英文法といった英語の基礎作りに必要知識です。
そして、英語の基礎を固める過程で文章をつくる練習をしていきますよね。
という文を作りたかったら、
とかそういう思考をたどるわけです。
いくつも文章を作成する中で、こういったプロセスを反復することが、英語脳構築の第一歩になります。
英語を英語で考えはじめる-英語を話せるようになるまでのフェーズ②
フェーズ②は、「日本語で英語を考えてた状態」から「英語を英語で考える状態」に変わっていく途中段階です。なので、英語と日本語というのがどっちも介在していることになります。どちらも同じ領域に存在していて、どんどんと学習を継続して行くにつれ日本語で考える割合が減っていくという考え方です。
前回例に出した
という文を作ろうとしたときにフェーズ①だったら
と日本語ベースで思考していたのに対し、フェーズ②ではそのような日本語での思考を経なくても英語が口から出て来るようになります。
というのも、普段から独り言などをする中でで「I have to~~」と状況を鮮明にイメージして何度も文を作る経験を積むと、実際に何かをしなきゃいけない場面になったときに「I have to」というフレーズが自然とその文章が口から出て来るようになります。
英語の文章全体に対して感覚的にフレーズが出て来るわけではないが、単語レベルで感覚と結びつく英語があり、それが徐々に増えて行っていっている状態です。
英語の日本語化に似てる〜「イニシアティブ」っていちいち訳してる?
第2フェーズでは、日本語の中で使われる「日本語化した英語」が出来上がるプロセスに非常に似ていると考えています。
例えば、「イニシアティブ」という言葉は、特に最近よく聞くようになりましたが「主導権」という意味でみなさん普通に使っていますよね。
とかこんな感じで。
このときに、「イニシアティブは主導権って意味だから...」っていちいちやらないと思うんですよね。
ではなぜもともと英語だった「initiative」がこのように日本化できたのかというと、メディアなどでこの言葉が使われ始め、それを見た私たちは最初は意味を調べて理解した後に、色々な場面で使われる「イニシアティブ」を見る中でより単語本来の意味を理解していきます。また、自分でも会話の中で使っていきます。
この経験の積み重ねの中で、「イニシアティブ=イニシアティブ」という脳の回路が形成されていくわけです。
これは英語学習においても全く一緒です。はじめは英単語帳などで単語の意味を知り、実際に使われる場面に出会ったり、自分で使ったりします。最初の方は理解するために日本語が介在する可能性がありますが、単語を使った経験を増やすことでその介在は確実に減っていきます。
【効果的な練習法】ルー大柴から学ぶ英語脳の作り方
ルー大柴さんという日本のコメディアンはご存知ですか?彼の売りは日本語のなにげない会話の中に英語を挟むことで面白みを出すところです。
彼のやっていることってすごくいいと思うんですよね。もちろん英語学習という意味でですが、「英語を普段使いの文章に組み込む」というのは「英語を自分のものにする」うえで非常に効果的だと思います。
私もたまに日本語を話す中で英語の方が先に出てきてしまい英語を混ぜる話し方をすることがあり、ルー大柴みたいだと言われたことがありますが、「日本語よりも英語の方が出てきてしまう」状態を目指すくらいの方が、本気で英語を勉強している方はいいと思います。
もちろんルー大柴さん自身は英語を勉強しようとしてしてるわけではないのでしょうが、このプロセスは非常に合理的だと思います。
【完成形】英語は英語で考える-英語を話せるようになるまでのフェーズ③
最後のフェーズとして、「英語は英語で考える状態」があります。フェーズ②では単語やセンテンスという小さい単位で日本語を介在させることなく英語を話す・理解できるという話でしたが、この最後の段階になると文章の単位でできるようになってきます。ここに来ると上級者で、テンポの速い英語での会話にも対応できるようになってきます。
「I have to」と感覚的に口から出るようになったり、「イニシアティブ」という意味をいちいち訳さなくても分かるという話でしたが、
と文章の単位で感覚的に分かるようになってきます。
ではどうすれば完全に「英語は英語で考える」というと、「英語で文章を作る機会を重ねる」という練習につきます。これはフェーズ②で推奨した方法と同じです。
ですので、イメージとしては第2フェーズと第3フェーズは全く違うステージではなくて、互いにオーバーラップしているようなイメージです。
ゼロからペラペラになることは絶対可能
以上、英語の勉強し始めから「英語を英語で」考えられる状態になるまでの3つのフェーズについての話と、それぞれのフェーズの解説、練習法の紹介でした。
現在英語をペラペラに話している人の英語を聞くと、自分とは英語力がかけ離れた遠い存在のように感じてしまうこともあるかもしれませんが、誰しもが今回話したように「日本語で英語を1つ1つ組み立てる」時期を経験しています。
そして漸進的にフェーズ②、フェーズ③へと進んでいくのです。
また、今回は英語を話すという「状態」にフォーカスした話であるため、かなり観念的な話になりましたが、より具体的に「英語が話せるようになるにはどうしたらいいのか」ということについては以下の記事にまとめていますので、よかったら合わせて読んでみてください!
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