英語学習者にとって、ペラペラに話せるようになることは大きな目標の一つですよね。
ペラペラに話せるレベルに少しでも近づくためには、ネイティブレベルの人たちが無意識に行っているコツを意識的に実行することが効果的です。今回は、そんなコツを3つご紹介します。
英語をペラペラに話せる人から盗むべき考え方とは、「英語を英語で考える」、「イメージで捉える」、「意味のコアを掴む」の3つです。
それぞれどういうことなのか、丁寧に解説していきます。
Contents
英語力向上のコツ1-英語を話すときは英語で考えよう
英語で考えるvs日本語を高速で英訳
「英語は英語で考える」というのは、私の英語学習の根底にある考えです。
よく、「英語を話すときは、日本語から訳して考えていますか?」と質問されることがあり、その度にわたしは「英語は英語で考える」という回答をしています。
しかし、
「日本語に高速で訳すことが出来れば、それでもいいんじゃないの?」
「英語を英語で考えるってそもそもどういうこと?」と思う方もたくさんいると思います。
そこで、日本語と英語を自在に扱うプロである同時通訳者を例に、英語を英語で考えるということのメリットと、日本語を介在させることのデメリットについて解説します。
同時通訳者が15分で交代する理由
英語を話す際に、いちいち日本語を介在させることは、大量の労力を消費するため非効率であるというのが私の考えです。
実際に英語で日常会話をしたり、ディスカッションをしたりする機会を一度でも経験した方は分かると思いますが、その過程では膨大な量の情報がものすごいスピードで行き交います。それらの英語を、大学受験の和訳問題を解くようにひとつひとつ日本語に訳していたのでは、とてもすべての情報を瞬時に処理することはできません。
ましてや自分の言いたい内容を日本語で起こして英語に訳して…なんて作業をしていては、自分が発言者として会話の波に乗れることなんていつまでたってもできないでしょう。考えている間に、ドンドン会話は進んでしまいますからね。
このようにスピードの面で日本語を介在させた英語の処理には無理がある、ということに加えて、「脳の疲労」という観点でも、圧倒的に負担が増してしまいます。
という話を聞いたことがあるでしょうか?
同時通訳者というのは、大規模な講演会やパネルディスカッション、株主総会といった国際的な場面において、英語を自国の言語にリアルタイムで直す人たちのことです。いわば「英語のプロ」といっても過言ではないのではないでしょうか。
聞いた話によると、この同時通訳という作業は、2〜3人が1組となって、15分〜20分ごとに交代する、というのが一般的なやり方らしいのです。
なぜわざわざそのような形態をとるのかといえば、「脳への疲労を軽減するため」とのことです。「英語のプロ」である彼・彼女らでさえも、英語から日本語という変換作業を行うことは、とてつもない疲労を伴うもので、長時間行うことはできないというのです。
私はこの話を聞いた時に、妙に納得したのを覚えています。翻訳を仕事とするプロ達でさえ、英語を別の言語に変換するのは、とてつもない集中力を必要とし、大きな疲労を伴うのだから、私たちが日本語を介在させて英語を使用することはかなり非現実的なことのようです。
しかし、私は日本に居る間から英語でのコミュニケーション能力を養い、その後海外留学、海外就職までスムーズにつなげることができました。なぜ私がそこまで大きな疲労や問題を感じることなく、ここまで進むことができたか。
それは、英語は英語で考え、日本語を一切介在させないことを徹底したからと言うことができるでしょう。
日本語を介在させて話すか、一切介在させずに話すかで、ペラペラに話せるようになるまでの成長速度も大きく変わってくるように思います。
皆さんも将来海外で留学・仕事をするために勉強している人が多いのではないでしょうか?もしそうであれば、この考えを普段の英語学習から意識することを強くお勧めします。
英語力向上のコツ2-イメージで捉える
日本語ってどうやって話してたっけ?イメージがすべての始まり
「英語を英語で考える」という根底の考え方をご紹介しました。次は、「イメージで捉える」ことについての解説です。
英語学習においてなにか迷いが生まれたときには、「日本語だとどうしているのか」という視点で考えてみると、案外答えが見つかったりします。
今回の、「何語で考える?」というコンセプトもこれに当てはめて、「普段日本語話す時ってどうしてるっけ?」と考えてみてほしいのです。
私たちが普段話す際に、言葉というのは何を出発点として発生しているのでしょう。
それは
だと思います。
普段言葉を話す際、聞く際には、なにかしらのイメージ・感覚を言語に変換しているはずです。
つまり、
(例:リンゴの絵が頭に浮かぶ→「リンゴ」という言葉)インプット:言語的な情報→非言語的な情報
(例:「リンゴ」という言葉を聞く→リンゴの絵が頭に浮かぶ)
という変換作業を、自然と行なっているはずです。
日本語でこのように行なっているのだから、英語においても、この状態を目指すべきではないでしょうか。
例えば、 “passionate” という単語であれば、
という理解の仕方をするのではなく、“passionate”→ 理解(上記のイメージが湧く)
というような理解の仕方、脳の回路を築くことが、英語で考えるという状態を指すのです。
英単語をイメージで捉える
ここまで日本語訳を介さず理解することの重要性を述べてきましたが、英単語を覚える段階で、「英単語→日本語訳」という覚え方をしてしまうと、どうしても普段から翻訳癖がついてしまい「英語で考える状態」を目指すことが難しくなってきます。
また完璧な英単語に対する完璧な日本語が存在しないケースもしばしばあるので、象形文字を解読するような一つ一つの単語に意味を当てはめていくやり方では、ぎこちない理解に止まってしまうことも多々あります。
反対にいえば、英単語を覚える際から、イメージと単語を強く結びつけるようにして覚えれば、これはそのまま英語運用においても同じことができるようになってきます。私はそうして英語で考えられる状態になることができました。
具体的な英単語暗記に関する記事もたくさんありますので、そちらも合わせてご覧になってください!
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【10000語覚えた私が語る】英単語の勉強法完全公開!暗記を超効率的にする 3つのステップ
こんにちは!ATSUです。 皆さんは英単語を覚えるのに苦労していませんか?何千語もある単語をただただひたすら暗記する作業 ...
英語力向上のコツ3ー英単語の意味のコアを掴む
イメージを掴むために意味の核を知る
英語を英語で考えることのメリットと、英単語をイメージで捉えることのメリットを紹介してきました。最後に、インプットとアウトプットどちらにも有効なコツをもう一つ紹介します。
皆さんは、英語がペラペラに話せる人の使っている語彙について意識したことはありますか?さぞかし難解な単語も織り交ぜて会話しているものだと思ってしまいがちですが、聞いていると案外簡単な単語ばかりなのです。自分でも思いつきそうなのに、なかなかアウトプットすることができない。
彼らは、英単語の意味の核を捉えているのです。
核を捉えれば多様な文脈で使うことができるようになり、同じ単語を様々な意味で使いまわせることに繋がるのです。
意味の核の有用性
例えば、「settle」という単語には、「決める」、「解決する」、「定住する」、「据える」など様々な意味があります。
これを一つ一つ覚えておくのはなかなか骨の折れる作業ですよね。そこで、意味の核を捉えるのです。
「settle」には、「ふらふら移動していたものが一定の場所に落ち着く」という核があります。それが会議なら「決める」、移民なら「定住する」という意味になるのです。
このように単語の意味の核を捉えることで、様々な意味を一括して覚えることが出来るうえに、アウトプットするときにもコンテクストを問わずに使うことが出来るようになるのです。
また、二つ目に挙げた単語を「イメージで捉える」際にも有用です。一見意味の多そうな単語を覚えるときには、日本語でいちいち覚えず、意味の核をイメージで覚えることを意識してみてください。
三つのコツを使いこなして英語力の飛躍的向上を狙おう
ご紹介してきた三つのコツを意識して英語学習に励むことで、英語をペラペラに話せるという大きな目標に効率的に近づくことができるようになります。
また、英語学習という観点に加え、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングすべてにおける英語の運用の観点でも飛躍的にレベルアップできるきっかけになると思います。
みなさんも今日からこれをしっかりと意識して、日本語を介在させる癖を直し、ワンランク上の英語力を手に入れましょう!