リーディング 大学受験

【東大英語を使って】長文読解をクリアする3つのコツを徹底解説

更新日:

こんにちは、Atsuです。

今回は実際に東大で出題された英語の長文問題を解き、解説を交えながら、「長文読解を解く3つのコツ」についてお話しします。

今回使用しているのは東大の二次試験の問題ですが、今回紹介しているリーディングのコツや意識についてはTOEICでも英検でもTOEFLでも変わらないので、大学受験をこれから控えている方もそうでない方にとっても takeaway(学びの知識)がある内容だと思います。

また、英語のリーディング力を向上させるための勉強法については以下の記事にまとめているので、英語の文章をもっと正しく読めるようになりたいと感じている方は今回の記事と合わせて読んでみる事をオススメします!

【精読編】英語のリーディング勉強法を徹底解説〜英語はこうして読めるようになる

こんにちは!ATSUです。 前回の長文読解勉強法の記事では、多読のメリットを分析することで、リーディングの勉強は「精読」 ...

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東大英語でリーディングのコツを徹底解説

今回使用するのは東大2018年の二次試験の大問1の(B)です。ちなみに(A)は日本語訳の問題だったのですが、「英語は英語で」がモットーの私にとって和訳問題というのはあまり好きでない存在なので、あえて(B)をやりました。

When we think back on emotional events from the past, our memories tend to be distorted by internal influences. One way this can happen is through sharing our memories with others, something that most of us are likely to do after important life events — whether it's calling our family to tell them some exciting news, reporting back to our boss about a big problem at work, or even giving a statement to police. In these kinds of situations we are transferring information that was originally received visually (or indeed through other senses) into verbal information. We are turning inputs from our five senses into words. (1) ; every time we take images, sounds, or smells and verbalise them, we potentially alter or lose information. There is a limit to the amount of detail we are able to communicate through language, so we have to cut corners. We simplify. This is a process known as "verbal overshadowing," a term invented by psychologist Jonathan Schooler.

空所に入れるのに最も適切な文を以下の(a) ~ (h)より選びなさい。

a) All this is not surprising
b) But this process is imperfect
c) This effect is incredibly robust
d) However, it seems that the opposite is true
e) This is without doubt a highly sensitive area
f) This is also true when others verbalise things for us
g) This effect extends to more complex memories as well
h) This does not mean that verbalising is always a bad idea

それでは早速解いていきましょう。

【リーディングコツ①】左から右に読むことが重要

When we think back on emotional events from the past, our memories tend to be distorted by internal influences.

まず英語の文章を読む上で大前提になる原則というのが、「左から右に読み進めていく」ということ。

英語を勉強し始めたばかりの方は「emotional eventsについてthink backする時に...」みたいにどうしても日本語の語順に置き換えがちです。ただそれだとどうしても、左に行ったり右に行ったりしてしてしまうために時間がかかりますし、また誤った解釈にもつながります。

しかし、ネイティブはこのようなことはしていません。左から右に、そのまま英語を咀嚼していきます。返り読みをしていては、いつまでも彼らのスピードに追い付かないのです。

なので例えば上記の文章であれば、日本語で無理やり解説すると以下のようになります。

When we think back → 改めて考えるとき

on emotional events → 感情的な出来事について

from the past → 過去からの

our memories tend to → 私たちの記憶は傾向がある

be distorted → ゆがめられるという

by internal influences → 内部からの影響によって

こんな感じです。実際には日本語も介さず読んでいけるようになります。

【リーディングコツ②】前置詞&副詞をイメージする


「When we think back」のbackは、「後ろに戻る感じ」で、「on emotional events」のonは「接触」といったイメージが即座に浮かびます。

こういった「〜する感じ」といったイメージがそれぞれの前置詞に対して浮かぶようになってくると、文章が非常に読みやすくなりますし、知らない英語表現に出会った時も意味の予測を立てやすくなります。

When we think back on emotional events「私たちが emotional events について改めて考える時」

from the past,「過去からの」

our memories「私たちの記憶」私たちの記憶とは直前に出てきた「emotional events」に関する記憶のことを指しています。emotionalということなので、「感情をすごいともなったようなイベント」ということですね。

tend to be distorted「歪められる傾向がある」

by internal influences.「内部のこと」→自分の心とか考えの中で記憶が歪められる、ということですね。

Atsu
Atsu
ちなみにこの"think back"は私の出版したDistinctionⅠの中にも出てくる単語です。同じような表現でオーストラリアでは "Cast one's mind back" という表現が「その時の事を思い出すと」という意味でよく使われています
One way this can happen is through sharing our memories with others,

One way this can happen「これが起こりうる1つの方法として」

one way S V はお決まりの形です。「SがVする方法」という意味ですね。

また今回は「can」が使われているので「起こりうる」というように、可能性を匂わすような意味をもたらします。

is through「何かを通過しているようなイメージ」です。

sharing our memories with others, 他人とmemoryを共有すること。つまり「他人とmemoryを共有することを通して」に、こういった記憶の歪みが生じるという事ですね

something that most of us are likely to do after important life events

somethingの前に「which is」が省略されています。

つまり, which is something... と書くこともできます。そしてそれは

most of us are likely to do=私たちがやる可能性の高いことなのです

after important life events =人生における重要な出来事の後に

Atsu
Atsu
長い文章を読む時に、このようにまとまりごとに左から右に読むとリーディングはスムーズに進みます
— whether it's calling our family to tell them some exciting news,

whetherがきた時点で「A or B」とか「A, B, or C」と言ったような構造の文が続くんだろうな、という心の準備をしておきます。

そしてその内容は

「excitingなニュースを家族に伝えるために電話する」

excitingなニュースというのは、「受験受かった!」とかそういうnewsですね。

reporting back to our boss about a big problem at work,

「職場でbig problemについてbossに連絡する」

or even giving a statement to police.

「or」がきましたね。先ほどの予想である「A, B, or C」の形にあてはめるとこの文章は「C」にあたります。

「policeに対してstatementをgiveする」

今出てきた3つの状況説明というのは、記憶の歪みが「どんな状況でも起こる」ということを強調するために具体的なケースを羅列しているに過ぎないので、個別の内容に特に意味はなさそうです。

Atsu
Atsu
その文章が単なる具体例なのか(=読み流してもいい)、それとも本質をつく重要な一文なのか(丁寧に読み解く必要)を抑えながら読み進めることは、時間短縮を目指す上で鍵となります
In these kinds of situations, we are transferring information that was originally received visually (or indeed through other senses) into verbal information.

In these kinds of situations「こういう感じの状況では」

we are transferring information「私たちは情報を変換している」

originally received visually「元々視覚的に受け取った」

(or indeed through other senses)「もしくは他のsenseを通して」

他のsenseと言うのは「味覚」や「嗅覚」ですよね。また、このように他のsenseはたくさんあるわけですから「senses」と複数形になっているわけです。

Atsu
Atsu
"他のsense" と言うのは「味覚」や「嗅覚」ですよね。また、このように"他のsense" はたくさんあるわけですから「senses」と複数形になっています

into verbal information「言語的なinformationに」intoというのはこう、何かに変換するイメージのある前置詞です。

We are turning inputs from our five senses into words.

"five senses" つまり「五感から仕入れた知識を言葉に変える」ということですよね。言葉というのは複数あって初めて情報として成り立つわけですから「words」というように複数形になっていることにも注意です。

(1) ; every time we take images, sounds, or smells and verbalise them, we potentially alter or lose information.

はい、ここで出題になっている箇所です。

問題の前後の文章は点数に直結する部分ですので、念のために読み直したり、普段のリーディングより一段と注意深く読み直すように意識しています。

every time~「〜するたびに」

we take images, sounds, or smells「画像や音、匂いを捉える」

"images" "sounds" "smells"といった3つの英単語がtakeという動詞の目的語になっていることがわかるかと思います。

Atsu
Atsu
豆知識ですが、アメリカ英語では3つ以上の物事を羅列する際このように「A, B, or C」のように comma を or の前にも付けますが、私の住んでいるオーストラリアやイギリスでは「A, B or C」のように or の前には comma は付けません。

and verbalise them「そしてそれらを言語化する」

we potentially「私たちは〜する可能性がある」どういう可能性があるかというと、

alter or lose information「情報を変えたり、失ってしまう」

【リーディングコツ③】あらかじめ選択肢の予測を立てる

さて、空欄になっている(1)の前後を読み終わりましたので、前後の文章の意味的なつながりを考えながら問題を解いてみましょう。

前の文章:私たちは五感によって受け取ったinputを言語化している

後ろの文章:言語化しようとすると情報が変わったり失われたりしてしまう

前後の文意をざっくりと捉えるとこんな感じです。

この2つを見るだけでもう「でも」という言葉、もしくはそれと同等の言葉、文章が入ることが分かりますね。

そこで選択肢を読んで見ると、「b) But this process is imperfect」という文章がありました。文章の内容的にも問題なさそうですので、これを選択します。

このように、問題文の英語を読んだ段階で「あたりをつけておく」、「こういう選択肢が入るんじゃないかという予想をあらかじめ立てておく」と、ピシッとハマる回答がスムーズに探せるケースが多いです。

今回は私は「however的な何か」がくるとあたりをつけていたおかげで、実際には"but"が使われていましたが、正しい選択肢を素早く選べました。

回答は終了しましたが、このパラグラフの最後まで簡単に一緒に読み進めていきます!

There is a limit to the amount of detail we are able to communicate through language, so we have to cut corners.

There is a limit to the amount of detail「詳細の量には限りがある」

Atsu
Atsu
ちなみにこの"detail"の発音は「ˈdiːteɪl」という人もいれば「dɪˈteɪl」と発音する人もいます、私は絶対「ˈdiːteɪl」と言いますが

we are able to communicate through language「言語を通して私たちが伝達できる(詳細)」

関係代名詞の"which"や"that"が省略されている形で、直前のdetailを就職しています。

Atsu
Atsu
detailの直後にweという名詞が来ていることの違和感から「あ、whichやthatの省略だな」と気付けます

so we have to cut corners「私たちはcut cornersしなければいけない」

cut cornersは「近道をする」とか「手抜きをするという意味」です。曲がり角を道に倣って進むのではなく、目的地に向かって道を省略して近道を選択する様から「手抜きをする」とかそういう意味になりました。ちなみこれもDistinction掲載語句なのでお持ちの方はチェックして見てください

Atsu
Atsu
Distinctionは特に大学受験を目的に作成した単語帳ではないですが、東大や京王の受験問題で結構目にする単語ばかりだな、と出版した後で感じてます
We simplify.

私たちは単純化します。

This is a process known as "verbal overshadowing," a term invented by psychologist Jonathan Schooler.

This is a process known as "verbal overshadowing,"

「これが"verbal overshadowing"として知られるプロセスである」ということです。overshadowというのは「見劣りさせる」と言ったような意味の単語で、英検1級の単語帳とかで出会った記憶があります。結構レベルの高い単語です。

a term invented by psychologist Jonathan Schoolerはまたwhich is が頭に省略されていて、「psychologist Jonathan Schoolerという心理学者に発明された言葉だ。」という意味ですね。

おわり

お疲れ様でした!なるべくサクサクと解説したつもりですが結構な情報量の記事になってしまいました汗。

今回紹介した3つのtipsを意識して、リーディングの問題を解く練習を積むと、本番でも安定して高い点を稼げるようになると思います。もし解いてほしい大学の問題があれば、できるだけそう言ったリクエストにはお答えしたいと考えているので、リクエストがある方はツイッターやYouTubeのコメントで教えてください!

また、今回解説する中で何度か言及しましたが、「ネイティブが頻繁に使うが日本ではなかなか出会わない単語」だけを収録した英単語帳『Distinction Ⅰ』『Distinction Ⅱ』の注文受付も行なっているので、興味のある方はこちらの紹介記事を是非是非読んでください:)

それではまた別の記事でお会いしましょう。

Distinction

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