こんにちは!Atsuです。
今回は、 私の実体験に基づく「留学と英語力」についての話です。日本で英語を勉強し始めたばかりの方の中には、「英語の勉強=留学」というイメージを持つ方もたくさんいると思いますが、今回は
「留学によって英語力は本当に伸びるのか」
「英語力が4技能ごとにどのように変化したのか」
について、実際に私の大学院留学時代の経験を踏まえてお話したいと思います。現在留学に行こうか迷っている方、留学に行くタイミングについて悩んでいる方はこの記事を参考にしてみてください!
Contents
「英語でオーダーできるようになった」←英語が伸びたと言えるか否か
結論から申し上げますと、「ただ留学するだけで劇的に英語力が伸びることは無い」、というのが私の経験を踏まえた結論です。
ちなみに、私のいう「英語が伸びない」は、英語力が全く伸びないことを言っているわけではありません。巨額の投資費用や準備期間、実際の留学期間に対してリターンが見合っていない、ということを意味しますのでご注意ください。海外に行って英語を頑張って話せば、もちろん以前に比べて「英語が伸びた」と言うことは可能なのですが、
例えばファストフードのオーダーができなかった人が
と言えるようになった、といった成果は、費用対効果という意味で、「英語力は伸びていない(=費やした投資に対して得られた成果が十分でない)」と今回は言及することにしています。
今後英語力を伸ばすために留学を考えている方も多いと思うので、参考にして頂けると幸いです。
留学の形態を3つに分類しよう
私の英語力の変化の話の前に、「留学」の形態とその特徴について、さらっとおさらいしておきましょう。一般的に言われる「留学」は、以下の3つに分類分けすることができます(スポーツ留学などの特別な形態を除いて)。
2.ワーキングホリデー
3.正規留学(大学、大学院)
1.語学留学
語学留学というのは英語圏にあるランゲージスクールで英語を学ぶことです。実は、私も大学1年生の時に1カ月だけオーストラリアにあるブリスベンのランゲージスクールに通っていたことがあります。
ずばり「英語力が伸びるか」ですが、言語学校に通うだけではそこまで伸びません...(少なくとも私の場合はそうでした)。
理由としては、語学学校では先生以外が外国人なので、友達は非英語圏からの、しかも言語学校に通わなければならない英語レベルの留学生になります。言語学校で英語がちゃんと話せるのは先生だけです。英語が現時点では下手な友達と毎日英語で話し続けても、英語自体の力はそこまで伸びません。
ただ、英語を「話す」ことに対するアレルギーを払拭することは出来ると思います。スピーキングを伸ばすために「独り言」を習慣にしていた私ですが、やはり生身の人を相手に英語を話すのある程度の慣れが必要だなと感じました。つまり、頑張って英語を声に出して話そうとする姿勢を形成するということです。
また、様々な国の人とふれあえる、異文化体験ができることも、過去にそうした経験がない方にはオススメです。短期間での留学だと、なんとなくの成果で終わってしまう可能性もありますが、それでもそういった経験はもしかすると今後のキャリアプランを変えるきっかけになったりするかも知れませんし、人生においてプラスになる経験にはなると思います。
そして、肌感覚にはなりますが、当時1年以上その語学留学で英語を勉強していた人は、国内で完全独学だった私とスピーキング能力に大差はありませんでした。
結構高額な語学留学、その投資額を上回るような価値を自分で生めるか、ココが重要です。
2.ワーキングホリデー
ワーホリ自体私はやったことないのですが、周りを見ている印象では、日本人は日本食レストランや寿司屋で働くケースが圧倒的に多いです。ゆえに、職場でのコミュニケーションは日本語です。現地でバリバリのネイティブと働くということはまずなさそうです。
第一にそういったネイティブに囲まれた職場に応募したとところで採用されることは非常に難しい。もし採用されるレベルなのであれば英語力は相当だと思います。現地での採用はアルバイトでさえ、アジア人かつ外国人の日本人には壁があるということは残念ですが事実です。また、和食屋での英語の使用頻度というと、お客様にオーダーを聞いたりするくらいなので、やはり英語自体はそこまで伸びないと思います。
ただメリットとしては、長期滞在できることから、その国の文化をよりよく理解したり、様々な人に出会ったり、各国の良い点・悪い点が見えたりする機会が多い、といった点です。
また金銭的な観点から考えてみても、収入があるので一番良いのではないでしょうか。ただ英語力という観点では、上述のような日本食レストランでのアルバイトで終わってしまうと最初に膨らんだ期待値を超すことは難しい可能性が高いと思います。
「ワーホリ行った人ですごい英語力が伸びた人だって居ますよ!」という声も聞こえてきますが、はい、いると思いますよ。もちろんそういう人もいればそうでない人もいる、当たり前の話です。伸びる人が一人もいないとか、全員が伸びるとかそういう極端な話をしているわけではありません。全て確率ベースで話していることをお忘れなく、、、
3.正規留学
私はオーストラリア国立大学という大学の大学院に通っていましたので、形態としては正規留学です。
前提として、大学や大学院にはある程度の英語レベルがないと入学できません。ですので、これらのエントリーレベルの英語力があると仮定した上で(TOEFL換算でいうと100前後)、そこからどれだけ伸びるのかについてお話します。基本的に、海外の大学は日本と違い結構ハードです(その代わり入学は結構楽ですが)。
家で学校の勉強が忙しく缶詰状態ということも大いに想定でき、故に「英語を」勉強する時間は中々取れません。「英語で」専門分野の勉強をすることになります。
以下に英語の各分野の変化を、正規留学に関連させてまとめてみました!
大学院留学前と直後の英語力の変化を「語彙力+4技能」で分析してみた
語彙力(英単語力):△
単語は専門分野の英単語量は増えますが、同時に今まで単語帳等を通して覚えたが、日常会話ではあまり使用しないような英単語はぼろぼろ抜けていきます。
ですので「単語」という観点では、専門ディスカッションでの英語力は伸びる一方で、日常会話力はさほど伸びたとは言えないと思います。
もちろんこれも留学中のライフスタイルに左右されます。あくまで私の経験からお話しています。
リーディング:◯
伸びると思います。特に「スピード」です。異常な量のリーディングをさせられるのでスピーディに重要な情報を拾うスキムリーディングは非常に上手になると思います。
リスニング:◎
伸びると思います。毎日授業を英語で聞くので、耳はかなり慣れます。私もリスニングはかなり伸びたなと実感しました。
ライティング:△
これは正直微妙なところです。アサインメントが多く課されるのでライティングの機会自体は多いのですが、結局採点は英語に関してではなく、そのトピックの内容に関して行われるので自分の英語ミス等があったかどうかはわかりません。
採点時のコメントが英語に関してというのはあまりに英語が酷くて理解不能な場合その旨が書かれるでしょうが、まずないです。留学未経験の人にとって、ここは盲点かもしれません。
Essayや論文形式、ハーバードスタイルなど世界で標準的に使用されているライティングのフォーマットの部分に関しては嫌でも出来るようになります。
スピーキング:×
どちらかといえば落ちる、というのが私の感覚でした。まず図書館での缶詰状態が多く、そもそも英語を話す機会が少ないです。
ディスカッションやグループアサインメントの時は話しますが英語の勉強としてスピーキングしているわけではないのでスピーキングに対して「慣れる」だけで、正確な意味でのスピーキング力は向上しません。話すことには慣れますが、Atsueigoでよくご紹介するような勉強法を採用している方は既に話すことに慣れていると思います。
また、留学生が多い場合会話の内容が非常に単調なまま進んでいく傾向があると感じていました。
【留学のリアル】日本で勉強してる時の方が英語が流暢に喋れていた!?
(英語を喋る機会を強制的に作るために、日本語のセンテンスを英語で紹介する、という動画を留学中に撮影したりしていました↑)
ちなみにオーストラリアの大学の長期休みは非常に長く、一番長い休みが夏に3カ月ほどあったのですが、その間私は日本に帰国しており、英語の勉強ばかりしていました。
個人的な感想ですが、その間日本に帰っていた時の方が、院で勉強している時より英語は喋れた気がすることもありました。(笑)
正規留学はフォーカスが英語ではなく、異文化適応力、交渉力、行動力、専門性、学位、などがメインとなってくると思います。
それらは非常に価値のあるものだと思いますが、上記の理由から分かる通り、純粋に英語力を上げるための正規留学というのは、莫大の費用がかかることを考えると、英語力を伸ばすことを目的とした留学は最善の方法ではないのかなと思っています。
【そうは言っても】あくまで私は”留学賛成派”〜留学の本当の意義とは?
ここまで色々と留学×英語について自分の意見を述べましたが、「じゃあ留学って英語力伸ばす上で最善な方法にはなり得ないの?」と思った方もいると思います。
まずもう少しbig pictureを見て、英語力を伸ばすのに最適な環境とはどのようなものか考えてみましょう。私が考える最適な環境というのは
常時ネイティブと様々なシチュエーションで英語を使用する必要性のある環境
です。
話す相手は基本的には英語のネイティブであり、それも専門性の高い話などに限定せず、幅広い内容で英語を話す環境。それはどのような環境か。実は大学生のときこれを結構考えました。そして自分が至った結論は
英語圏で現地で就職すること
でした。英語圏で現地で働けば、当然ビジネスの場において専門性の高い会話もしますし、仕事以外の話もします。また、周りはほぼ皆ネイティブで、強制的に英語を高いレベルで常時話さなければいけないという環境を作ることが出来ます。
そしてこの環境を手に入れる上で、正規留学が強力なツールになるのです。
正規留学自体で英語力が伸びる部分もあると思いますが、その先に繋がる英語環境が最も価値のあるものだと自分は大学で留学を考えていたときに感じましたし、実際それがその通りであったと実際に経験して感じています。
なので、そういう将来の可能性が広がるという意味で正規留学には大きな価値があるのと感じています。
まとめ
以上、留学と英語力の関係についての話でした!
繰り返しになりますが、留学に行くことそのものに対しては、私は大賛成です。そのころ得た知識や経験(朝昼晩、3食安売りのソーセージで空腹をしのぎつつ会計に関するエッセイを書きまくっていた私にもはや怖いものはありません)は、私の血となり肉となり、役立っているという感覚を今でもひしひしと感じています。そして、将来のキャリアにも大きなポジティブな影響があると思っています。
だからこそ、留学という機会をすこしでも実のあるものにするために、英語力の向上を留学という期間に丸投げするのではなく、日本でやれるだけのことはやったと言い切れるくらいに英語を勉強してから海外に飛び立ちましょう。私はそうしました。
そのための方法論、経験については動画やサイトを通して惜しみなくお伝えします。
皆さんの英語力アップ、ひいては海外でのキャリアスタート、こころより応援しています!
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