こんにちは、Atsuです。
今回は今話題の「大学入試と4技能英語力測定試験」の話です。IELTSの一定のスコアを所持していると、大学入試において優遇してくれる大学がたくさんあるのを知っていますでしょうか。
公募推薦や自己推薦といったような受験形態の形式の複雑化に伴い、「情報を集めること」は非常に重要なファクターになってきている「大学受験」ですが、それは一般受験生にとっても同じです。
一定のIELTSのスコアを取得している受験生に対して、英語の試験が免除されたり、中には、一般受験生が受ける英語のテストで満点取得扱いをしてくれる大学や、他教科(国語・社会科目)の合計点に得点を加算するとしている大学などもあります。
自分の志望する大学、興味のある学校がIELTSの優遇制度を採用しているか、どのくらいの点数を保持しているとスコアが有効になるのかチェックして見てください!
Contents
そもそもIELTSって?
IELTS(International English Language Testing System)は英語を母国語としない人を対象とした世界最大規模の英語能力判定テストです。世界で年間約250万人もの人が受験しており、最も信頼されている英語力測定テストと言われることもあります。
ビザや移住の条件として一定のIELTSのスコアを要求する国が年々増えていて、特にここ数年でかなりホットな資格になったという印象があります。
私自身もオーストラリアにてビザを取る過程でIELTSのスコアが必要だったので、最後に受けたのは2014年。スコアはオーバーオール8.5/9.0点でした。
試験会場は東京、大阪、名古屋など全国主要都市18箇所で行われています。実施回数や時期は試験会場によって異なりますが、最も回数の多い東京では月に2~3回ほど開催されています。
また、気になる得点の計算方法ですが、リーディング、リスニングはそれぞれ40問から構成されており、大体ですが以下のような表に基づいて換算されていますので参考までに。
リスニング
正答数 | バンドスコア |
39-40 | 9.0 |
37-38 | 8.5 |
35-36 | 8.0 |
32-34 | 7.5 |
30-31 | 7.0 |
26-29 | 6.5 |
23-25 | 6.0 |
18-22 | 5.5 |
16-17 | 5.0 |
リーディング
正答数 | バンドスコア |
39-40 | 9.0 |
37-38 | 8.5 |
35-36 | 8.0 |
33-34 | 7.5 |
30-32 | 7.0 |
27-29 | 6.5 |
23-26 | 6.0 |
19-22 | 5.5 |
15-18 | 5.0 |
大学受験でIELTSが優待される大学30選
それでは、IELTSのスコア所持者を英語試験において優遇している大学を、指定されているオーバーオールの得点別に見ていきましょう。
[IELTS3.0~]から優待される大学
■東京大学理科大学
・全学部(理科部第二部以外)[出願資格]
[IELTS3.5~]から優待される大学
■芝浦工業大学
・全学部[出願資格]
[IELTS4.0~]から優待される大学
■明治大学
・商学部【出願資格】
■青山学院大学
・総合文化政策学部【出願資格】
■中央学部
・経済学部【出願資格】
・文学部(英語文学文化専攻以外)【出願資格】
■法政大学
・情報科学部
・理工学部(機械工学科、航空操縦学専修以外)【出願資格】
■東京理科大学
・全学部(理学部第二部以外)【10点加点】
■駒澤大学
・全学部(医療健康科学部以外)【100点中75点換算/高得点採用】
■専修大学
・全学部
※4.0〜5.0【100点中80点換算/高得点採用】
■関西大学
・文学部【出願資格】
・経済学部【出願資格】
・政策創造学部【出願資格】
■東海大学
・全学部(医学部医学科以外)
※4.0~5.0【100点中80点換算/高得点採用】
[IELTS4.5~]から優待される大学
■青山学院大学
・地球社会共生学部【出願資格】
■中央大学
・総合政策学部【出願資格】
・文学部(英語文学文化専攻)【出願資格】
■法政大学
・人間環境学部【出願資格】
・スポーツ健康学部【出願資格】
・生命科学部【出願資格】
■明治大学
・経営学部【出願資格】
■学習院大学
・国際社会科学部【200点中120点換算】
■中京大学
全学部(国際英語学部以外)【満点換算】
■東洋大学
・全学部【100点中80点換算/高得点採用】
■立命館大学
・国際関係学部【100点中80点換算】
[IELTS5.0~]から優待される大学
■明治大学
・経営学部【20点加算】
■青山学院大学
・国際政治経済学部(国際政治学科・国際コミュニケーション学科)【出願資格】
■学習院大学
・国際社会科学部【200点140点換算】
■立命館大学
・国際関係学部【100点中90点換算】
■東洋大学
・全学部【100点中90点換算/高得点採用】
・国際学部(グローバル・イノベーション学科)【出願資格】
[IELTS5.5~]から優待される大学
■法政大学
・法学部(法律学科・国際政治学科)【出願資格】
・経済学部(国際経済学科)【出願資格】
・現代福祉学部【出願資格】
■明治大学
・経営学部【30点加算】
・国際日本学部【満点換算】
■立教大学
・異文化コミュニケーション学部【出願資格】
■学習院大学
・国際社会科学部【200点中160点換算】
■立命館大学
・国際関係学部【満点換算】
■専修大学
・全学部【満点換算】
■東洋大学
・全学部【満点換算】
■関西大学
・外国語学部【満点換算】
■東京理科大学
・全学部(理学部第二部以外)【20点加算】
■東海大学
・全学部(医学部医学科以外)【満点換算】
[IELTS6.0~]から優待される大学
■早稲田大学
・文学部【出願資格】
・文化構想学部【出願資格】
■法政大学
・グローバル教養学部【出願資格】
■学習院大学
・国際社会科学部【200点180点換算】
[IELTS6.5~]から優待される大学
■南山大学
・全学部【満点換算】
[IELTS7.0~]から優待される大学
■学習院大学
・国際社会科学部【満点換算】
IELTSのスコア別優待制度をもっと詳しく知りたい方は
今回はIELTSのオーバオールの得点を学部ごとにサクッと紹介していますが、実際には4技能ごとに大学から点数が指定されていることが一般的です(オーバーオールを満たしていても、ボーダーに達していない技能が一つでもあればあれば未達成という扱い)。
例えば、明治大学を例として各技能別点数を見てみると、以下のように指定されています。
オーバーオール:4.5
(R:4.5、L:4.5、W:4.0、S:4.0)
上記のスコアを提出すると、英語試験を免除されます。
また、一定のスコアを超えると、残りの2科目に対して得点をプラスする、という措置も図っているようです。
20点プラスに必要なスコア
オーバーオール5.0
(R:5.0、L:5.0、W4.5、S:4.5)
30点プラスに必要なスコア
オーバーオール5.0
(R:5.5、L:5.5、W5.0、S:5,0)
参考URL(https://www.meiji.ac.jp/keiei/info/6t5h7p00000kgfaw.html)
このように、大学によってはただ英語試験を免除されるだけでなく、他の科目に対して得点をプラスしてくれるという受験生にとってはかなり美味しい配慮がされている大学もあります。
自分の第一志望、実際に受験を考えている大学に関しては、大学のHPに行って、より詳しく調べてみましょう。
「真の英語力」を試す大学は今後増え続けると確信している
今まで様々な場面で日本の英語教育システムに対する問題点が話題に上ってきました。義務教育の6年間と、さらに高校3年間を英語の学習に費やしてもなお日本人が英語を喋れない大きな理由の一つが、大学入試の英語に問題があると考えます。
多かれ少なかれ皆、「大学受験」という、人生において非常に重要になってくるゴールに向かって勉強する以上、試験の中でほとんどのウエイトを占めるリーディングに偏った勉強をしてしまうのは仕方のないことなのです。
私が大学受験の勉強を行なっていた時期も、本当はスピーキングやリスニングの練習をもっとしたいと思いつつも、そこは「受験だから」と割り切って長文読解や、英語力そのものに結びついているのか怪しい「英文和訳」の練習などを行なってきました("英語力"と"和訳のスキル"は別物であるというのが私の個人的な意見です)。しかし、このような制度が採用された今では、こちらの制度を上手に利用すればスピーキンングやリスニングなどの「総合的な英語力」を伸ばすことそのものが、大学入試においても評価される時代になっています。
1年やそこらでリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能を全て高いレベルにまで伸ばすことは今受験生(高3、浪人生)にとっては難しいかもしれませんが、若干大変な部分があるかもしれませんが、そうでない場合は私は4技能を総合的に見るIELTSのような試験を活用した英語力の向上を断然おすすめします。実際、その方が長期的に見た時に英語学習の近道であることは言うまでもありません。
今の段階では「自分の志望する大学が英語技能試験の優待制度を採用していない」、もしくは「採用枠がかなり限られていた」という人もいるかもしれませんが、こういったジェネラルな英語能力を試す試験を取り入れる大学というのは今後増えてくるのではないでしょうか。
昨今散々入試の英語システムの問題を指摘され続けた大学がようやく仕組みを変え始めた今、この「4技能英語資格テストを受験において採用する流れ」は強まることはあっても、弱まることはないと、私は強く願っていますし、そうせざるを得ない時代に突入していると感じています。
まとめ
以上が、IELTS試験を大学入学受験時に優待している大学のまとめでした。志望する大学の必要スコアは何点でしたか?4技能の英語力を入試において考慮してくれるという制度は、英語学習が好きな人からしたらかなり「おいしい」話なのではないでしょうか?自分の実力が適切に評価されるチャンスですし、受験のための英語からの脱却を図ることもできます。
一方で、TOEFLやIELTSなど総合的な英語力が試される英語試験に対する情報はまだまだ不足していますし、そもそもスピーキングやライティングの指導ができる人は少ないのかな、という印象を受けます。
英語力の底上げが求められる今後の動きに向けて、私自身もそれらの試験の勉強法、経験、情報をどんどんお話ししていきたいと思いますので、引き続き「Atsueigo」のフォローをお願いします!
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