こんにちは!ATSUです。
最近世界で最も注目されていると言っても過言ではないIELTS。これから受験しようと思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、中々情報が少なくて、特に日本人が苦手なスピーキングなんかは対策しにくいですよね。
そこで、今回は私がIELTS のスピーキングで8.5を取得した経験をもとに、IELTSスピーキングで高得点を取るための対策方法とコツをご紹介します。
早速見ていきましょう!
Contents
IELTSスピーキングの概要
まずは簡単にIELTSスピーキングの概要を把握しましょう。
IELTSのスピーキングでは実際にネイティブの試験官と約14分間話し続ける形式で行われます。そして試験内容は以下3つのパートで構成されています。
パート1 自己紹介と日常生活に関する質問(4-5分)
このパートでは試験官が自己紹介した後、受験者の名前を尋ね、パスポートを使って本人確認を行います。その後、試験官が家族、仕事、勉強、趣味などの一般的なトピックについて質問されます。
パート2 スピーチ(3-4分)
スピーチのパートでは、試験官がトピックと言及すべきポイントが書かれたカード(タスクカード)を手渡します。受験者には1分間の準備時間とメモを取るための鉛筆と紙が渡されます。その後、最大2分間のスピーチを行い、スピーチ後は試験官に1,2つ質問されます。
パート3 ディスカッション(4-5分)
最後のパートでは、試験官からパート2のトピックについてより深く掘り下げた質問を聞かれます。
IELTSスピーキング 4つの評価基準
そしてIELTSのスピーキングでは以下4つの評価基準でバンドスコア 0~9で採点が行われます。
語彙力(Lexical Resource)
文法の知識と正確さ(Grammatical Range and Accuracy)
発音(Pronunciation)
それぞれの評価基準におけるバンドスコア別の評価内容は以下で確認することができます。
https://www.ielts.org/-/media/pdfs/speaking-band-descriptors.ashx?la=en
これら4つの評価基準を見て、何か気づいたことはありますか?
そうです。IELTSのスピーキングでは、あなたの「英語力」しかみておらず、あなたす「英語で話す内容」はほぼ見ていないのです。流暢さ、語彙、文法、発音、これら全て、英語自体に関する評価項目ですね。
ほぼと言った理由はCoherenceという項目があるからです。
Coherenceというのは首尾一貫しているという意味ですが、これは「昨日はコーヒーが飲みたかったので、サッカーをしました」みたいな、意味が不明な文は英語として正しくてもダメですよということです。(笑) そんなに難しく考えないでください。
英語試験なので当たり前かもしれませんが、意外と盲点になりがちです。
IELTSスピーキングの全体戦略
ここからはIELTSスピーキングで高得点を狙う対策を行う上での全体戦略についてお話します。全体戦略というのは、スピーキング全体で取るアプローチや方向性を意味します。
IELTSスピーキングにおける全体戦略は3つあります。
全体戦略1 内容は作り話でOK!事実に基づいた話をする必要はない
さきほどもお話したように、IELTSスピーキングではあなたの英語力を見ています。しっかりと話に論理性があれば、正直内容はテキトーでいいのです。
例えば試験官に
「あなたの好きな画家は誰ですか?」
と聞かれたとします。絵画に全く興味がない私は一人も好きな画家の名前なんて思いつきません。だからといって「絵には興味がないので、好きな画家はいません」とも言えないですよね。
そこで私ならこんな回答をします。
これは全て作り話です。まず、Keizo Nakamuraなんて人知りません。というかいないと思います。
でも良いんですね。見てるのは「英語力」ですから。なのでKeizo Nakamuraではなく、Sakana-kunでもPon-pon Brown でもなんでもいいわけです。まぁあまりにふざけると言っている途中に笑ってしまいそうですが(笑)。
そして、札幌に結び付けて絵画を描く人も知らないですし、豊平川は実際にありますが札幌で一番大きな川ではないですし、ソフトウェアで色を抜くくらいは先端技術でもなんでもないでしょう。
しかし、何度も言いますが、これは英語の試験です。それゆえ、
が、1つ目の全体戦略となります。
また上のスクリプトや日本語訳を見るとわかる通り、結構カジュアルな感じで話していますが、これでOKです。
試験ではスピーチのように形式ばったり、ライティングのようにガチガチに論理的になる必要もありません。あくまで自然に、ちょっと脱線しながらも質問に答えるという、あくまで普通の会話と同じようにすれば大丈夫です。
「回答をする上でウソをつくのは嫌だ!」と思う方ももしかするといるかもしれませんが、それは単なる自己満足でしかありません。常に相手が求めていることにどうすれば効率的に応えられるかを考えましょう!
全体戦略2 自分の得意な分野に話を誘導する
IELTSスピーキングでは、幅広いトピックに関しての意見が問われます。
それに対して、いくら作り話でもいいとはいえ、その作り話もうまく思いつかない場合もあると思います。そういう時のために、自分の得意な分野に話を誘導する技術を磨いておくと、よりスムーズにまとまった話ができるようになります。
例えば、私は大学の時は商学全般、大学院の時は会計学を専門にしていたので、ビジネスや経済に関連する話が得意です。最低でも、絵画などのアートの話をするよりは、これらの分野の方が確実に話せる内容の幅、そして語彙の幅が広いです。
そこで、どんな質問が来ても、これらの話に関連させようと考えるわけです。先ほどの
あなたの好きな画家は誰ですか?
という質問が聞かれたばあい、私ならどのように好きな画家の話から自分の得意分野にもっていくのかを見てみましょう。
So in one of his recent pieces of art he drew a picture of a big car with two wheels, one being the central bank of Japan and the other being the government and what it is trying to convey is a message that the economy, which he likened to the car in his art, will not move forward unless both wheels move to the same direction. It’s just so intelligent and interesting.
面白い質問だね。まぁ、何人か好きな画家はいるんだけど、一番はAkito Nishimuraかな。理由としてはかれの面白いバックグラウンドだね。で、実は彼は昔日本の中央銀行で働いていて、すごい面白いのはいつも日本の中央銀行の問題を絵画を通して表現しようとするんだ。だから例えば彼が思う問題の一つは金融政策が政府の経済を刺激するための政策とうまく調和できていないことなんだ。どういうことかっていうと、知ってるとは思うけど中央銀行ってのはETFへの投資とか国債の購入とかである程度市場のお金の量をコントロールして、インフレ率とかGDPみたいな指数に影響を及ぼす力がある。でも、もし中央銀行が向かっている方向が政府の向かっている方向とズレていたら、政府も支出や投資によって経済をコントロールする力がいくらかあることを考えると、経済の最適な状態を実現する上で最大の効率性を生み出すのは難しいでしょ?だから最近の彼のアートでは、彼は2つの車輪をもつ大きな車の絵を描いたんだ。そして車輪の一つは中央銀行、もう一つは政府で、これが表現しようとしているのは、絵の中では車にたとえられている「経済」っていうのは、両輪が同じ方向に動かないと前に進まないっていうことなんだよ。すごい知的で、面白いよね。
こんな感じです。今回は短めの作り話から始まり、自分の得意な経済の話に全体を誘導しました。
もちろん、皆さんは皆さんの得意分野があると思うので、私のように経済でなくてもいいわけです。何かしら自分の得意な分野を事前に決めておいて、迷ったら無理やりそっちに誘導する練習をしておくと、興味のないトピックでも十分な情報量をもったスピーキングができるはずです。
全体戦略3 とにかく話し続けること
最後の全体戦略、それはとにかく話し続けることです。
簡潔に話すことがライティングでは評価されますが、スピーキングではそれは求められていません。
実際私はスピーキングセクションで約5回ほど試験官にストップされました。レコーディングが終わった後、何度も止めてすまないと謝られてしまいましたが、結果はかなりポジティブな8.5点。
つまり、
話さなすぎると、情報過小で減点されるのですが、話し過ぎは減点にはなりません。
であれば、話し過ぎるくらいの方が良いわけです。それゆえ、とにかく止められるまで話し続けるくらいの勢いでスピーキングを行いましょう。
ただし、同じことを何度も繰り返すこと(repetition) は絶対だめです。Repetitionは試験において減点対象として入っていますので、様々なアイディアを話しましょう。
また、アイディアが浮かばない時にすぐに話す内容を思いつくには実はコツがあります。以下の記事にまとめているので時間のある時に見て、参考にしてください!
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こんにちは!ATSUです。 今回は、英語のライティングのコツについてお話ししたいと思います。 「ライティングを書く時に何 ...
パート別IELTS スピーキング対策
全体戦略を理解したので、ここからはIELTSスピーキングのパート別対策方法をご紹介します。
IELTS スピーキング対策 パート1
パート1はIELTS スピーキングで一番重要!?
パート1では家族、仕事、勉強、趣味などの一般的なトピックについて質問されます。例えば
・Why do you like the movie?
・Do you think watching movies is a good thing?
のようなシンプルな内容です。
それゆえ、ほかのパートに比べて内容自体は簡単ですが、実は全のパートの中で一番重要なパートなのです。
なぜかというと、
からです。
例えば、最初のパート1で「この受験者のスピーキングは5点くらいだな」と試験官が判断した場合、まず試験官は5点というスタート地点を設定し、残りのパート2とパート3のパフォーマンスを基に、最初の印象同様5点のままなのか、それとも5.5点なのか、もしくはもう少し低い4.5点なのかを決めるのです。
そして、パート1にて5点周辺のバンドスコアであると試験官に判断されると、そこから挽回して6点、7点と飛躍できる可能性はかなり低いわけです。(ちなみにこれはIELTS試験官に向けて実施されるトレーニングに参加した方からこっそり聞いた話なので、IELTSの公式見解ではありませんので参考までに。)
頻出例題を使用して対策することで高得点が可能
さて、このIELTSスピーキングのパート1は、頻出例題を使用して練習することで対策することが可能です。
様々なトピックに関して質問されるので、幅広いタイプの例題を使用して普段から練習しておくことで「この問題にはこんな回答」とある程度自分の中でパターン化しておくことが重要です。
私が8.5点を取得した時には110の例題を使用して対策を行いました。その時使った例題は全て以下の記事にまとめましたので、こちらをプリントアウトしてしっかりと声をだして練習するようにしてください。
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IELTSスピーキングで8.5を取った私が対策で使った例題110選
こんにちは!ATSUです。 今回は私がIELTSスピーキングで8.5を取得した際にパート1対策で使用した110の例題問題 ...
IELTS スピーキング対策 パート2
パート2での回答は必ず5つの情報を含める
パート2では、試験官が1つの問題文と3つの含めるべきポイントが書かれたカード(タスクカード)を手渡します。受験者は1分間で準備し、最大2分間のスピーチを行います。
一つ例題を見てみましょう。
IELTS公式サンプル問題より引用
このタスクカードには
何かあなたにとってとても重要なものについて話しなさい。
という問題文があり
・How long you have had it – どれくらいそれを持っているのか
・What you use it for – 何にそれを使うのか
という3点を必ず含めなければいけないと書いています。
そして、
と書いています。つまり今回の問題では2分間で必ず
- 自分にとって重要なもの
- どこで手に入れたか
- どれくらいそれを持っているのか
- 何にそれを使うのか
- なぜ重要なのか
の5つの情報を必ず含めなくてはいけません。どれか一つでも欠けてしまうと、質問に答えていないことになるので減点となってしまいます。
パート2での回答での時間配分
パート2における回答での時間配分目安は
- 自分にとって重要なもの
- どこで手に入れたか
- どれくらいそれを持っているのか
- 何にそれを使うのか
の4つには40秒~1分使用し、
最後の
- なぜ重要なのか
の部分には残りの約1分間の時間を使って時間全て約2つの理由を述べるとちょうどよく内容のまとまったスピーキングになると思います。
「なぜ」の部分が一番自分の意見を具体的に述べることができる部分ですので、ここに使用する時間をたっぷりと残しておくことが自分の回答を充実させるコツとなります。
パート2でのノートテイキングのコツ
パート2の準備時間には、タスクカード上の5つの情報それぞれに対して横にメモを取りましょう。
最初の4つの情報に対しては一言で表し、最後の「なぜ」の部分ではフローチャート的に2つの理由を書く時に本番で回答しやすいようにしておくことがコツですね。
また、なかなかこの「なぜ」の理由が思いつかないかたもいると思いますが、これには実はコツがあります。以下の記事にまとめましたのでぜひ見てみてください。
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私のパート2での回答例
ここでは先ほどの問題とメモを使用して私ならどういう回答をするかも公開します。参考にしてください。
And obviously since this is an English vocabulary book I used it to memorize basic, fundamental vocabulary to improve my English. And...there are mainly two reasons why this is very important.The first reason being this made me interested in English. So, before starting to use this book I didn’t have any interest in learning a foreign language, but this book had lots of example sentences and articles and they stimulated my interest a lot. And that made me decide to study English seriously, which I think was a very positive, favourable change in my life.The second reason is this book gave me an opportunity to meet lots of new people. So in my high school there was a group of people using the same book and thanks to having this book I was able to join the group to study with other students using the book. People in the group were all highly motivated and very passionate, and the atmosphere in the group made me decide to study English as much as I could, which I think was very valuable because at the end of the day your study is all about motivation. And I still have connections with them on facebook and we sometimes give advice each other on a variety of things like job hunting and studies, and yeah, so there is no doubt that the book brought a lot of values in that sense too.
こんな感じです。
そしてスピーキングが終わったあとは以下のような簡単な質問をされます。
私の回答:Not really. I bought it for like $20 but now that I’ve read it like 100 times it’s worn out and I don’t think there is an objective monetary value for it.Would it be easy to replace? – 他のもので簡単に代替できますか?
私の回答:No, because I wrote lot of notes in the book while I was studying so all pages look totally different from what they were when I bought it. So even if you buy the same book at a bookshop now it will look so different, and all the information I wrote is based on what I have learned over the past 10 years, so obviously that is not replaceable.
IELTS スピーキングパート1は全パートで一番重要
パート3では試験官からパート2のトピックについてより深く掘り下げた質問を聞かれます。
例えばこんな感じです。
We’ve been talking about things we own. I’d like to discuss with you one or two more general questions relating to this topic. First, let’s consider values and the way they can change. In Japan, what kind of possessions do you think give status to people?
日本語訳これまで所有物について話してきたので、このトピックに関して2つ、もっと一般的な質問をしたいと思います。第一に、人々の価値観とどうそれが変化したかについて話しましょう。日本ではどのような所有物が人々のステータスとなると思いますか?
ここでの質問は事前に予想することが難しいため、素直に自分の意見を述べましょう。
あくまで英語の試験ですので、自信を持って、4つの評価基準を意識して自分が英語をできることを証明することを最優先して進めていきましょう。
以下が質問の例と私の回答例です。
What kind of things give status to people in your country?
回答:Hmm I think having goods from designer brands like Louis Vuitton is considered to give status to people in Japan.Have things changed since your parents’ time? Finally, let’s talk about the role of advertising.
回答:Hmm I think so because when my parents were in my age what they considered to give status to them was things like a luxurious car and a house. But these days, it may be only me but I feel like people are leaning more towards belongings when it comes to showing off your status. I think it’s also true that all such big things like cars and houses are becoming more and more incorporated in the concept of sharing economy, which I think is exemplified by Airbnb and Uber that I believe you are also familiar with.Do you think advertising influences what people buy?
Yes surely. So for example an iPhone from Apple, which is I think the most popular smartphone in the world has lots fans not only because it’s very easy to use and quite intuitive but also because Apple spent so much money on advertising through TV commercials, social media and so on. I still remember how impressive it looked when they launched the very first iPhone, but now that I think about it, I think it was mainly because their adds used really beautiful computer graphics not really because the product was surreal because at that time we already had smartphones in the market. So I strongly believe that advertising impacts what we buy.
まとめ
いかがでしたか?
私は日本生まれ日本育ちで、高校生の時受験勉強で英語を勉強しました。
しかし、IELTSでは日本人皆が苦手とするスピーキングでも8.5点を獲得することができました。それは普段からスピーキングの練習を意識していたのと同時に、今回ご紹介したように普段から戦略をしっかりと立て、対策に取り組んだことが最大の要因です。
私ができたということは、皆さんにも必ずできます。スピーキングで満点を狙う勢いで、IELTSスピーキング対策を進めていきましょう。
それでは!